■球児を支えたコトバ『人生は敗者復活戦』

現在3年生の岩崎生弥選手。
去年の6月、2年生の頃に思わぬ病魔に襲われました。
「運動誘発ぜんそく」という、気管支の炎症により発作的な咳や呼吸困難が起きる病気で、運動によってさらに症状が誘発されます。1か月寝たきりになってしまいました。

そんな岩崎選手のもとに、監督から1本の電話が。
「正直もう練習には付いていけないんじゃないかと思います」
と不安な気持ちを伝えると、須江監督は
「自分を丁寧に組み立てていこう」と答えました。
岩崎選手はこの時の言葉についてー
「『やり方はいくらでもあるから』ということは伝えられていたので、その言葉を聞いて不安な気持ちというのがなくなった」と語っています。
そしてこの時に脳裏に蘇った言葉が、『人生は敗者復活戦』でした。

復帰後も身体が言うことを聞かず、立ち続けるのも難しい状態の岩崎選手に対し、監督はバッティングに専念するよう勧めます。
その話を受け、代打でチャンスをつかもうと岩崎選手はひたむきにバッティングに取り組み、ついに甲子園にスタメン出場。
決勝の舞台で打ったのは、満塁ホームラン。
ダイヤモンドを一周すると、真っ先に笑顔で待つ須江監督と抱き合いました。

岩崎選手は―
「感謝の気持ちしか自分はないので。支えてくださった分、少しでも返せたかなって思います。」