受け継がれる“開拓者精神”
技術畑出身の中村茂雄社長(58)は、ABFの開発者の一人だ。

『味の素』中村茂雄社長:
「1人からスタートしてプロトタイプ(試作品)を1年という短期間で作った。そこからたくさんのメンバーも集まってくれて、わずか2年半で大手半導体メーカーの承認が得られ、1999年から量産して今もずっと伸び続けている材料」
――中村社長の入社当時は、調味料や食の方が味の素のメインストリームだったと思うが
中村社長:
「私が入った頃はバブル絶頂期。いろんな会社が多角化をやってる時期で、会社も多角化に対する挑戦に非常に前向きだった。ただ、1996年になるとこの雰囲気が急に変わる。『こういうのはもうやめた方がいい』という指示が飛んだが、私が最初に入って“これをやろうと決めた上司が、このテーマを守ってくれた”」
――その上司がいなかったら、味の素は今、大黒柱の一つがなかったかもしれない
中村社長:
「そう思う。懐の広い方と、そういうのを許す文化がまだあったし、『やりたい人がいるのであればやらしてやれ』という、“会社の新しい価値の創造”や“開拓者精神”は、しっかり受け継がれている」

売上の伸び率は「2桁以上、年率で成長している」とのことで、ABF増産に向けた投資も始まっているという。
中村社長:
「供給能力の補強は適宜行っていて、2025年も新しい工場を群馬に建設して、10月から一番最新のABFを作る工場が立ち上がっている」














