僧侶で新電力会社の社長に「事業の仕組み」を聞く

新電力業界では今何が起きているのか。京都市で新電力会社「テラエナジー」を運営する竹本了吾社長に、“新電力の今”を深掘りしました。
(大吉アナ)「本職はなんですか?」
(竹本社長)「見たとおり、お寺の住職をしております」

竹本さんは、防衛大学校を出て海上自衛官として働いたのち退官し、僧侶に。2018年、僧侶仲間らと新電力会社「TERA Energy(寺+エネルギー)」を立ち上げました。

(大吉アナ)「今、電気は使用者がいろんな会社から選択して買うことができますが、そもそも電力事業の仕組みとは?」
(竹本社長)「野菜とかと基本的には同じ構造かなと。生産者の方がおられて、運ぶ方がおられて、最後にそれを販売する青果店とかスーパーがあると。うちはその青果店やスーパーみたいな位置づけだと思っていただけると。発電所があって、そこで発電された電気をいわゆる送配電事業者が電柱とか電線を使って運んで、最後小売りですね、われわれのようなところが販売している」
電気の『仕入れ値』が高騰…10円が40円になることも

この“野菜”にあたる市場からの電気の仕入れ値が高騰しているといいます。
(大吉アナ)「電気の仕入れ値が上がっている背景には、世界情勢であったり今の環境の状況であったり、どんなことが考えられますか?」
(竹本社長)「ここ数か月について言いますと、やっぱりウクライナ情勢によってかなり原油価格であったり燃料(価格)が上がってきているということがありますし、もう少し前ですがLNGですね、液化天然ガスが非常に需要が増えることで、世界的に足りなくなっていることがかなり強く影響していると思います」

仕入れ値が上がった分は電気料金の値上げだけでは賄いきれないため、小売業者もかぶらざるを得ないといいます。
(テラエナジー 竹本了吾社長)
「実際のところかなり電力小売り会社は厳しい状況ですね。一般家庭だと約25~30円で単価を販売しているんですね。普段の仕入れだと10円とかそれくらいで仕入れているんですけれども、ここ数か月は時間によっては40円とかで仕入れないといけないようなことになっているので、本当に売れば売るほど赤字が出てしまう。だからいろんな新電力が今『新規の申し込みを受け付けていません』とか、その背景には、今あまりお客さんが増えても、たくさん売ったら売っただけ赤字が出てしまうので、それを避けようという意図があるんだと思います」