トランプ大統領が指す「You」とは? 念頭にはベネズエラか

秌場聖治 元JNN中東支局長:
トランプ大統領が、ビデオメッセージの中で「イランの人々立ち上がれ」という趣旨の発言をしました。「これがあなた方の最後で最大のチャンスだ」ということを言っていましたが、この「あなた方」とは誰なのかが気になっています。

例えばシリアでアサド政権が倒れたときは、反体制派が周辺国の支援を受けてダマスカスまで攻めていきました。ただ今回のイランでは、そのような勢力がなかなか見えにくい。バロチスタンやクルディスタンの方に武装勢力がいるかも知れない一方で、民主派のデモをやっていた人たちもいます。トランプ大統領が言っていた「You」とは誰だと、アメリカでは分析されているのでしょうか?

守川雄一郎記者:
その「You」は、2つ指摘できると思います。1つが、これまで反政府デモなどを行っていたイランの市民層です。2つ目が、イランの精鋭部隊の革命防衛隊や治安当局などの体制側です。トランプ大統領はメッセージの中で彼らに対して、「抵抗を止めて、アメリカ側に向き合う」ことを求めています。つまり、体制側もアメリカ側に取り込むことが、イランがアメリカが望む体制へ円滑に移行することに繋がると考えていると思います。

この背景には、国の規模が小さくて簡単な比較対象にはなりませんが、アメリカにとってベネズエラの事例があるとも言えます。

ベネズエラ攻撃の際には、マドゥロ大統領は拘束したけれど、マドゥロ体制は残したままで、アメリカへの協力に移行させるという流れを今作っています。イランに対しても、そのように進んだら100点だ、というイメージを描いていると言えます。