部下は上官の命令を拒絶できず
<幕田トメら親族からマッカーサーへの嘆願書 1949年6月>
かつての日本軍において、部下が上官の命令を拒絶することなど、決して許されることではございませんでした。また上官にとっても、部下が拒むような命令を出すことなど、およそ想定もできないことだったのです。とりわけ幕田は中隊の古参将校という立場にありました。もし彼が命令に背くようなことがあれば、下士官や兵卒はおろか、若手の将校までもが命令を軽んじることになりかねません。隊の全員に「上官の命令は絶対である」と身をもって示すためにも、彼は自らの意思を差し挟む余地など微塵もないと考え、命令に従ったのです。決して、その残酷な命令の内容を彼自身が望んだわけではございません。
貴国の軍隊においては、たとえ上官の命令であっても、それが法に背くものであれば従わないことが許されているのかもしれません。しかし、私たち日本人にとって、そして日本軍という組織において、兵士たちがそのように教育されることは微塵もございませんでした。
















