A級戦犯と比べて、ほとんど知られていないBC級戦犯。戦争犯罪に詳しい恵泉女学園大学の内海愛子名誉教授は5700人もの人たちが戦犯裁判にかけられた事実を見過ごすことはできないと話す。「戦争犯罪人っていうと、犯罪人っていうところだけがクローズアップされてしまうけど、戦争における犯罪とは何か、そういうふうに考えるともう少し問題がみえてくる」。では「戦争における犯罪」を通して見えてくる太平洋戦争の実像とはどんなものなのかー。

見過ごされて来たBC級戦犯

スガモプリズン

内海愛子名誉教授は1941年生まれ。去年、戦後80年にあわせて「スガモプリズン 占領下の『異空間』」(岩波新書)を上梓した。スガモプリズンに収監された東條英機元首相ら日本の指導者が戦犯に問われた東京裁判では、被告28人のうち7人が死刑執行された。資料も多く残され、研究も進められている。一方、アジア・太平洋で裁かれたBC級戦犯の被告数は5700人。死刑になったのは920人に上る。

恵泉女学園大学 内海愛子名誉教授
「私たちの世代は、東條英機という名前と東京裁判がくっついてきますね、ここで裁かれた戦争犯罪というのは、平和に対する罪・通例の戦争犯罪・人道に対する罪の三つがあるんですね。それで裁かれたのがいわゆるA級戦犯という人たちです。BC級の戦争犯罪っていうのは、通例の戦争犯罪、例えば捕虜を虐待したり殺したり、住民を虐殺したり、略奪をしたり、それから戦時性暴力、これも通例の戦争犯罪に入ってきます」


連合国の戦犯委員会が決めた「通例の戦争犯罪」は33項目あり、このうちの一つが捕虜虐待だという。