「温泉のおかげで金鉱脈ができた」

“有事の金”と呼ばれ、安全資産と言われる金の価格は、ウクライナ侵攻が起きた4年前と比べると約4倍に。

こうした中、存在感を高めているのが日本で唯一稼働している金の鉱山、「菱刈(ひしかり)鉱山」(鹿児島・伊佐市)だ。

『住友金属鉱山 菱刈鉱山』鉱山長・前田敏明さん:
「1983年に開山。1985年に海抜100mレベルで鉱石に着脈して出鉱を開始して、25年の7月で40年になった」

坑道の入り口は海抜265m。そこから海抜マイナス80mの深部へ。
東京タワーの高さに匹敵する345mの深さを進むと、そこにあったのは“金を生み出す温泉”だ。

岩盤からしみ出ている温泉が足元を濡らし、触ってみると温かい。

前田鉱山長:
「岩盤の中にパイプが水平に200~300m入っている。そこに金鉱脈があって、金鉱脈の中に溜まっている温泉を抜いている。“温泉のおかげで金鉱脈ができた”

100万年前の火山活動によって「マグマの中に含まれていた金」が熱水とともに地表近くまで運ばれ、世界屈指の金鉱脈を形成。坑道の総延長は170kmで、最新の重機が硬い岩盤の中にあるわずかな鉱脈を正確に捉えるという。

前田鉱山長:
「元々は岩盤に亀裂があって、そこを熱水が下から上がってきて、温度が下がり圧力が下がり熱水の中で溶けなくなり沈着していったのが“金鉱脈”、石英脈になっている」

岩盤に穴を開ける特殊な車両で水を注入しながら3mほど削るー
機械は自動化が進んでいて、爆薬を仕掛けるポイントも自動でナビゲーションしてくれるシステムだ。

『住友金属鉱山 菱刈鉱山』上橋玄祈さん:
「同じ現場でも日々鉱脈の向きや岩盤の硬さとかが変わってくるので、見ていて面白かったりする」