“人間にとって何が必要か”を考えるのは人

AI時代の働き方で、大事なことは何なのだろうかー

『駒澤大学』経済学部 井上智洋准教授:
「AIにも新しいものやアイデアを出せるにしても、それが人間にとって良いものかどうかという判断がつかない可能性がある。そこの感覚がAIにはないので、“人間にとって何が必要か”というのは、やっぱり人間が考えるべき仕事。『こういう商品あったらいいだろうな』というアイデアを出していくのが大事」

一方、AIを巡っては、2月のアメリカの株式市場で象徴的な出来事があった。

AIスタートアップの『アンソロピック』が、これまでITサービス企業が担ってきた業務の多くを自動化できるツールを発表。これによりソフトウェア企業の存在意義が揺らぎ、セールスフォースやアドビの株価が急落し、“アンソロピック・ショック”とも言われている。

また、アメリカでは雇用の数字にもAIの影響が表れてきている。

――22年はコロナという特殊な要因もあり、かなり変動幅が大きいがそれでもソフトウェアや一般事務の求人数の減り方が大きい。AI失業元年とも言われてるが、AIの雇用に与える影響は。

『東京大学』名誉教授 伊藤元重さん:
「ミクロとマクロを分けて考える必要があると思う。ソフトウェアや事務職はかなり速いスピードでAIに置き換わっていく。ただマクロ全体で見ると人手不足が深刻なので、それ以外の分野で失業率が非常に大きく出てくるというのはまだ少し先なのではと思う」

――つまりは他の業種に人が移っていくと。逆にそれがスムーズにできないと失業も生まれる。企業は、AIを使って生産性向上が本当にできるかどうかも問われる。

伊藤さん:
「企業にとってもスムーズに移行できるかどうかが、やはり競争力の非常に大きな源泉になる。またAIを代替的じゃなくて、補完的な付加価値をどうやって作れるかということにもなる」

(BS-TBS『Bizスクエア』2026年2月7日放送より)