「走っていてキツくなかった」と樺沢
悪コンディションだったにもかかわらず、フィニッシュタイムは2年前の1時間10分13秒より53秒速い。それだけスピードアップしたにもかかわらず、樺沢は「ずっと、きついところがありませんでした」とさらりと話す。
「2年前はこの大会が冬期の最終目標でしたが、今年はあくまでも初マラソンへの通過点でした。距離走などマラソン練習を行って、疲労も取り切れていない中で、マラソンのレースペースを半分の距離でどの程度余裕度を持つことができるか。それを試したかったので、3分20秒平均で走るつもりでした(フィニッシュタイム1時間10分20秒)。しかしレースペースよりちょっと速くなり、キツく感じるところがどこかあるかな、と覚悟していましたが、ありませんでしたね」
樺沢にどのくらいの余裕だったかを質問すると、「お喋りすることもできるくらい」という答えが返ってきた。雪のため脚の接触が何度も起きていたが、「見えなくてご免」など、何度も声を出していたという。
余裕を持てた理由の1つに、マラソン練習を行ってスタミナをアップさせながら、トラック代表だったスピードも失わずに出せることが挙げられる。樺沢によれば「1週間前に40km走」をして、練習の距離を減らすなどの調整はしないでハーフマラソンを走った。40km走はマラソンのレースペースよりも、かなり遅いスピードで走る。スピードを上げて走ってしまったら、次の練習ができなくなってしまうからだ。
三井住友海上の鈴木尚人監督は、「樺沢は距離を走っている期間でも、スピードをポンと上げることができる。心肺機能が強いからできるのだと思います」と説明する。今大会の平均ペースは、樺沢の想定より3秒近い速い3分17秒ちょっとになった。さらには「3分15秒、13秒と上がったところもありましたが、キツくならずに行けたのは、距離を踏んでいる成果」だと感じている。
夏にも長めの距離を意識して練習してきたが、12月6日の10000mで31分03秒14と自己記録を40秒以上更新した後は、「月に1000kmちょっと。以前の1.5倍くらい」と走る距離を増やしている。その成果をハーフマラソンのレースで確認できた。

















