細谷は団体の部の優勝にも意欲

細谷恭平は大会前日の取材で、「いつもの通り」と強調した。2週間後の大阪マラソンに出場するが、昨年も全日本実業団ハーフマラソンで8位(1時間00分43秒の自己新)に入賞し、大阪マラソンの自己新(2時間05分58秒)での4位につなげている。

ニューイヤー駅伝を走る細谷

「マラソンに生きるハーフにすることが目的です。前回もこの大会でしっかり叩いて(追い込んで)、大阪マラソンで結果を出したので、今回も入賞や自己新で、しっかり追い込みたいと思っています。大阪では優勝と自己新が目標です」

アジア大会マラソンの選考競技会期間(2025年12月7日~2026年3月1日)でトップの記録を出せば、代表入りが決まる。細谷は前回の杭州アジア大会の代表に一度は決まったが、大会が1年延期になり代表を解除された。その後の細谷は東京2025世界陸上の補欠になるなど、毎回代表入りにあと少しの成績を残してきたが、代表入りはできていない。日本代表への意欲は大きい。

大阪の1週間後の東京でも記録が出る可能性があり、アジア大会代表入りのためには日本記録(2時間04分55秒)前後が必要だと言われている。細谷もそれを認めつつ、大阪マラソンの目標は「優勝と自己記録です」と、欲張らない方針だ。

先週の別大マラソンでは、チームの後輩の福谷颯太(25、黒崎播磨)が、2時間07分11秒で4位(日本人3位)に入り、昨年12月の福岡国際で獲得している細谷に続き、チーム2人目のMGC(来秋開催のマラソン・グランドチャンピオンシップ。ロサンゼルス五輪選考会)出場権を勝ち取った。現時点で2人がMGC出場権を獲得しているチームは黒崎播磨とトヨタ自動車だけだ。

全日本実業団ハーフマラソンには細谷以外にもマラソンで2時間6分54秒を持つ土井大輔(29)、2時間07分38秒の田村友佑(27)、前回19位(1時間01分12秒)の松並昂勢(24)らが出場する。澁谷明憲監督(48)は「大阪マラソンと東京マラソンに向けての調整が一番の目的ですが、主力が全力で走りますから、団体の部でも優勝したいですね」と意欲を見せる。キャプテンでもある細谷も「みんな状態良さそうですし、そこは視野に入れています」と同意する。

トヨタ自動車やロジスティード、トラックの代表経験者が出場する富士通など、ライバルは多いが、黒崎播磨が団体の部で優勝したときは、今後のマラソンでさらにMGC出場権獲得選手が増えていきそうだ。

女子の団体の部では三井住友海上が、西山の他にも樺沢和佳奈(26)、不破聖衣来(22)、小松優衣(25)、永長里緒(23)が出場する。24年、25年と団体2連勝しているチームで、鈴木監督は「優勝が数年後のクイーンズ駅伝優勝につながれば」と言う。団体の部の優勝争いも、今後の長距離界の勢力図に関わる可能性がある。注目すべき点だろう。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)