第54回全日本実業団ハーフマラソンが2月8日、山口市の維新百年記念公園陸上競技場を発着点とする21.0975kmのコースで、2026海外ハーフマラソン派遣選考競技会を兼ねて行われる。パリ五輪5000m代表だった樺沢和佳奈(26、三井住友海上)、同五輪10000m代表の高島由香(37、資生堂)、昨年の今大会2位の川村楓(28、岩谷産業)の3人は、今年予定しているマラソンへのステップとして出場する。3選手のマラソン出場への背景などを紹介する。

樺沢は1か月後の初マラソンに向けて余裕度のチェック

樺沢は2年前の今大会に1時間10分13秒で優勝している。ラスト1kmの表示でスパートし、2位の選手に9秒差をつけた。

「(得意の)トラックに入ってからの方が勝つ確率は高くなると思ったんですが、今後距離を伸ばしていくことを考えたら、ロードを走っている段階で前に出るべきだと思いました」

いつかはマラソンをやってみたい。その気持ちは以前からあり、2年前の実質的なハーフマラソン初出場も、マラソン進出の布石ではあった。だが一番の狙いはその年のパリ五輪5000mに結びつけることだった。「そこから(鈴木尚人)監督と思い描いた道筋通りに、パリ五輪代表を決めることができました」。

今回は2年前と違い、3月に予定している初マラソンを意識した練習を行ってきた。鈴木監督によれば、12~1月と走り込みの練習ができている。「彼女の強みは、これというスピード練習をしていなくても、ポンとスピードを出せるところ。心肺機能が強いからできることです」。今回のハーフマラソンで全力を出し切るつもりはない。出場の目的を樺沢は、「フルマラソンの半分の距離を、マラソンのレースペースで走ってどのくらい余裕を持って走れるか、自分の感覚をレースで試したい」と話す。

予定しているペースは1km3分20秒前後。そのペースで走り切れば1時間10分20秒のタイムになるが、「(12km手前で)折り返してからは、ガンガン上げることも考えています。後半10kmは自分で作っていく覚悟を持って臨みます」と言う。1時間10分を切るタイムも期待できそうだ。

3月のマラソンでも中間点を1時間10分前後で通過するが、初マラソンの記録を2時間20分前後までは欲張らない。MGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ。来秋開催のロサンゼルス五輪最重要選考会)出場資格を得られる2時間23分30秒が目標だ。もちろん、MGC]を勝ち抜いて「ロサンゼルス五輪はマラソンで勝負したい」という大目標に対し気持ちのブレはない。

山口は中学時代に全国中学駅伝で優勝した場所であり、実質初ハーフだった2年前に優勝した場所でもある。故障による長期間のブランクから復帰した昨年9月の全日本実業団陸上も、山口開催だった。競技人生の節目となってきた場所で、マラソンへの大きな一歩を踏み出す。