川村は「競技人生で一番楽しい」

川村は前回大会の2位選手。1週間前の丸亀国際ハーフマラソンで1時間08分58秒の自己新をマーク。2週連続ハーフマラソンに出場して、翌月の2度目のマラソンにつなげようとした。全日本実業団ハーフマラソンの結果(1時間09分50秒)は好成績といえたが、その後の練習中に座骨の痛みが出てしまい、予定していたマラソンに出場することができなかった。3月末のアジア選手権マラソンには「代表レースを経験したい」と出場したが、2時間31分26秒の5位。「練習はほとんどしていなかった」という。

24年のクイーンズ駅伝を走る川村

それ以前は「3年間故障がなかった」が、昨年は座骨の故障に悩まされ、試合に出ても納得のいく走りができなかった。クイーンズ駅伝だけはそれなりの走りができたが、12月初めにケガが再発。今年1月の全国都道府県対抗女子駅伝は9区で区間16位。2年連続区間賞を取ってきた駅伝で、悔しい結果となった。変わるキッカケは1月後半に徳之島で行われた全日本実業団連合主催の合宿だった。

「ケガをしても何も変えず、今まで通りにやってきましたが、連合合宿でマラソン・グループに入れてもらって、一緒に練習したり生活をしたりする中で多くのことに気づきました。マラソンをする人は1日に3回もジョグをする人もいましたし、体のここをこう使ったら、こういう走りができるんだ、と走りへの理解も深まりました。それまでは(スピード練習が好きで)ジョグは一番嫌いな練習でしたが、長く走ることが苦ではなくなったんです。そこからマラソンをしたいと、積極的に考えるようになりました」

川村のマラソン歴は2回で、初マラソンだった24年大阪マラソンでは2時間25分44秒の5位(日本人1位)。40km走は一度も行わなかったが、スピード型の選手がマラソンに挑戦する方法としては有効だった。だが2度の故障を経て、川村の取り組みが大きく変わった。全日本実業団ハーフマラソンを経て、2週間後の大阪マラソンで3回目のマラソンを走る。

「先週は30km走を2回やりましたし、他にもポイント練習を2回行っています。400mのインターバルもいつもは12~15本ですが、今週の火曜日は20本でやりました。ダウンのジョグも7~8km増やしています」

練習スタイルを変更して期間はまだ僅かだが、「今までで一番競技に向き合えています。それが楽しいです」と言う。それがどう走りに現れるか。まずは全日本実業団ハーフマラソンに注目したい。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)