「頭が真っ白になった」終戦で行方を失った“死への覚悟”
正午。特攻隊員12名が戦隊本部に集合させられた。外には特攻機が並んでいた。だが、そこで行われたのは「詔勅」を聞くことだった。
終戦の詔勅。玉音放送と言われる、ラジオによる国民への、天皇陛下による終戦宣言だ。
上野さんは放送を聞いた印象を「最初は、励まされたのか、終わったのか、分からなかった」と振り返る。しばらくして、隊長が告げた。
戦争は、終わったんだ。
上野さんに、「その瞬間、どう感じましたか」と尋ねる。
「頭が真っ白になりました。今日は死ぬつもりでしたから」
行き場のない感情を抱え、竹を切り、暴れ回る仲間もいた。飛行場の機体は燃料を抜かれ、滑走路には障害物が置かれた。独断での行動を阻止するためだ。私物は書類ごと、すべて焼却されていた。














