「日常に近い生活環境で被災者のニーズに合致しやすい」
民泊の大きな特徴は、室内にキッチンや洗濯機などの生活設備が整っている点にある。阪本教授は避難先としての民泊を「日常生活に近い環境が整備されているので、被災者のニーズに合致しやすい」と評価する。
特に乳幼児がいる家族や高齢者、障害者など災害時に配慮が必要な人たちにとって、避難先に一般家庭と同様の生活環境が確保されていることは安心につながるだろう。ペットが家族同然という人にとっても、受け入れ可能な民泊は貴重な存在といえる。
兵庫県立大学大学院 阪本真由美教授
「Airbnbのプラットフォームには、それぞれの民泊施設がどのような設備を持ち、どういう人が泊まれるかといった情報や、ホストとゲストがダイレクトにやり取りできる仕組みがあるので、避難者のニーズに応じたきめ細かな宿泊施設の提供に繋がる可能性があります」
また、2次避難先にはほとんど何も持たずに避難してきた人もいたが、個人個人の避難では地元の行政から食料や物資などの提供が得られず、代わりに地域住民や民間企業から多くの支援が寄せられるケースがあったという。阪本教授は、そうした動きを通して民泊や個別の避難に対する理解が地域の中で深まった部分があると話す。
兵庫県立大学大学院 阪本真由美教授
「日本ではこれまで、避難所など〈場所に対する支援〉が中心で、避難者、すなわち〈人に対する支援〉が十分ではありませんでした。これからは人がどこに避難していても支援が届くように、人に寄り添った支援のあり方を考える必要があります」

















