上りと下り&平地で筋肉を使い分ける吉田響
吉田は箱根駅伝2区に続き、東日本実業団駅伝でも最長区間の3区(16.4km)で区間2位と好走した。来年2~3月には「初マラソンで日本記録」を目標に掲げることからも、長い距離に適性があるランナーであるのは確かである。「ニューイヤー駅伝も2区の区間賞、区間新を目標に練習してきました」
しかし自身の適性が高いのは、5区の方だという。「向かい風で(アップダウンのある)タフなコース。自分の長所を100%引き出せる区間だと思います」
箱根駅伝も山登り区間の5区と、起伏の多い2区で活躍してきた。それができたのは「細かい筋肉を使い分けられるから」だと自己分析する。「上りは前腿の筋肉を使って走ります。それに対して下りや平地は大腿裏の筋肉を使います。箱根の5区は前腿をすごく使うのでそこが発達していないと走れませんが、腕も使えないといけません。腕振りの推進力を使いながら脚を回していくイメージです。箱根の2区は上りと平地があるので、筋肉を使い分けることができます。それに対してニューイヤー駅伝の2区はほぼ平坦なので、同じ筋肉を使い続けないといけません。どこまで押し切れるか不安もありつつ、わくわく感もあります」
サンベルクスはマラソンで2時間06分00秒を持つ市山翼(29)も、2区と5区候補に名前が挙がっている。吉田は出雲全日本大学選抜駅伝2区(5.8km)など、短い距離の区間でも区間賞を取っていることから、1区や3区出場の可能性もある。どの区間になっても、同学年選手とのルーキー対決が実現するだろう。区間賞を目指すなら同学年だろうが、年上の選手であろうが関係ないが、吉田は同学年選手たちとの対決に勝つことも、自身を成長させていくことにつながると言う。「箱根で同じ2区を走った篠原(倖太朗・23、富士通)選手と、平林(清澄・23、ロジスティード)選手には負けたくありません。太田選手もハマったらどんな走りをするかわからない。この世代は強い選手が揃っているので、その中で1番を取り続けていきたいです」
吉田を軸にルーキー対決に注目すると、テレビ観戦がより面白くなる。

















