同じ大学出身の平林と山本、同じ千葉県出身の吉田礼と篠原
2人以外にも大物ルーキーが多数登場する。平林は國學院大3年時にマラソンで学生記録(当時)を出したランナー。篠原は駒大4年時にハーフマラソンの学生記録と、屋外5000mの日本人学生最高記録をマークした。山本歩夢(23、旭化成)と鶴川正也(23、GMOインターネットグループ)、吉田礼志(23、Honda)も学生駅伝で区間賞を取ったり、10000mで27分台を出すなど活躍した。
平林は東日本実業団駅伝アンカーで、ロジスティード初優勝のフィニッシュテープを切った。その時は区間4位だったが、11月22日の八王子ロングディスタンス10000mでは27分37秒13と自己記録を大きく更新。「上半期は上手く行きませんでしたが、八王子から動きも良くなってきました」と、手応えを感じている。
旭化成の山本は國學院大で平林と同級生だった。平林が國學院大を拠点に、大学時代の監督から指導を受けているのに対し、山本は前年の実業団日本一の旭化成の練習環境に飛び込んだ。「最初は練習パターンが違ったので合わせるのが難しかったのですが、今では慣れてきてジョグもプラスアルファができています。平林とは一度も戦ったことがありません。同じ区間になったら絶対に勝ちたい」と、大学時代のエースとの勝負に意欲を見せている。
篠原と鶴川も、母校を拠点に大学時代の指導者の下でトレーニングを行っている。鶴川は4月に5000mで13分17秒64の自己新をマーク。5月に肉離れをして約4カ月走る練習ができなかったが、11月の八王子ロングディスタンス10000mは28分10秒34まで復調した。
吉田礼は山本と同様、実業団チーム(22&23年ニューイヤー駅伝優勝のHonda)の練習環境でトレーニングを積んでいる。11月3日の東日本実業団駅伝は最長区間の3区を任されたが、区間12位と期待に応えられなかった。しかし「腰が引けて、乗らない走り」になっていたことに気づき、「ジョグの質、補強の頻度」を見直すことで走りを修正。12月7日の甲佐10マイル(約16km)では46分12秒で6位と好走した。「1年目の選手だけでなく、実業団に入った以上実業団選手全員に負けたくありません。同期では篠原が同じ千葉県で高校からずっとライバルで仲も良い。篠原が結果を出すと刺激をもらっています」
ルーキー同士の戦いも興味深いが、強力ルーキーたちが先輩選手へどんな戦いを挑むかにも注目したい。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)
*トップ写真は左から吉田響選手、太田選手

















