日本に5隻 世界に64隻しかない海底ケーブル敷設船
完成したケーブルは、専用船に積み込まれる。
こうした海底ケーブル専用の敷設・保守船は日本に5隻しかなく、世界でも64隻という貴重な船だ。

この船は、荒れた海でも“ピンポイントの場所に止まり続ける”必要があるため、スクリューが360度回転する特殊な仕組みを備えている。
狭い船内を進むと、巨大な「ケーブルの保管場所」にたどり着く。
驚いたのは、工場で巻いたケーブルを船に積むために一度ほどき、さらに船内で再び手作業で巻くということ。

NTTワールドエンジニアリングマリン 桜井淳 船長
「ケーブルを船に積み込むだけで1か月半くらいかかりますね。例えば2000km誰かがそこを歩いているわけですから。太平洋の真ん中まで誰かが歩いて行っているのと同じことです」
この船には最大4000kmのケーブルを積載できる。
作業員はその距離分歩かなければならないため、交代制で昼夜1か月以上かけて巻き続ける。
そして、やっとケーブルを積み込み終えると、ようやく船が出航。海底にケーブルを敷いていく。
浅瀬ではケーブルを守るため海底を2mを掘って埋設し、水深2000m以下の深海では漁業などの活動が行われないため細いケーブルをそのまま海底に敷設していく。
敷設を進めていき、反対岸に到達すると、陸地ではケーブルをまるで“地引網”のように引きあげる。この手法は、100年前とほとんど変わらないそうだ。

















