小山は区間賞にも意欲
前回は4区のイエゴン・ヴィンセント(25)と5区の青木涼真(28)の連続区間賞でHondaは5区、6区と「#Hondaは走れ#いちばん前を」のキャッチコピーを実行に移した。だがアンカーの7区で中山顕(28)が旭化成に追いつかれ、フィニッシュ前のラストスパート決戦に8秒差で敗れてしまった。
中山は「陸上人生の中で一番悔しい経験でした。この1年、あの悔しさを忘れたことはありません」と振り返る。ニューイヤー駅伝後はマラソンで2時間08分24秒と自己記録を更新。その後はケガもあったが「あの悔しさがあったから、ケガをしても腐らずに頑張ることができました」。
ニューイヤー駅伝は1~3区に、各チームのスピードランナーやマラソンの日本代表が揃う。Hondaの小川智監督は3区終了時にトップから「10~20秒差ならラッキーです」と話す。視界に入る距離なら追いかけ、4区以降で逆転が可能と見ている。5区で他チームの脅威となっている青木や、甲佐10マイルで3位と絶好調の木村慎(31)、同6位の吉田礼志(23)、前回6区区間3位の久保田徹(24)、そして中山らが後半区間の候補。
21年東京五輪&22年オレゴン世界陸上10000m代表だった伊藤達彦(27)は、体調不良でレースに出られなかった時期もあった。だが甲佐10マイルで「予定通りのペース走」(小川監督)を行い、「2区、3区の候補」と言えるところまで復調している。新人の吉田も前半から速いスピードで入れる選手で、前半区間の可能性もあるという。「2年前のように(2、3区で)トヨタ自動車を逃がしたくないですね」と小川監督。
小山は1年前、同期入社の中山が7区で逆転された際、「おまえの責任じゃないぞ」と声をかけた。「2区の責任だったと重々承知しています」。前半区間は先頭が見える位置で渡せばいいと小山も理解しているが、個人的には「区間賞」も狙って走る。森や小山ら前半区間候補の選手も「#Hondaは走れ#いちばん前を」を目指して走ることで、HondaのV奪回の可能性が大きくなる。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)

















