水蒸気が2年で中間圏に到達

通常、水蒸気が中間圏に到達するまで5~6年かかるところ、研究チームが着目した噴煙起源の水蒸気は、たった2年で中間圏に到達。

アメリカ・NASAの人工衛星「Aura」による水蒸気の観測データに加え、日本の気象衛星「ひまわり」による夜光雲の観測データを解析した結果、成層圏に入った2022年の噴煙起源の水蒸気が2年後には中間圏の領域に到達し、さらに夜光雲の発生頻度は約15%上昇していることが明らかになりました。

そもそも夜光雲は、人間活動によってCO2の排出量が急上昇した18世紀後半の産業革命後に観測されるようになった背景があります。対流圏の大気中にCO2が増加すると中間圏の大気が冷えるため、夜光雲が発生しやすくなるのです。したがって夜光雲は地球温暖化との関連性が強く、急速な科学技術の進展でCO2の排出量が急上昇したことにより生まれた雲ともいえます。

今回の研究結果は人間活動によるものだけではなく、大規模な火山噴火のような
自然界の突発的な出来事でも夜光雲が発生する可能性を示すものです。

2018年(宮崎県)

研究チームに参加した東北大学大学院理学部の中川広務准教授は「今後さまざまな要因で変動する夜光雲の観測を続ければ『対流圏・成層圏・中間圏の大気がそれぞれどのように影響しあっているのか』など、これまで解明できなかった地球大気においての気候変動の仕組みを紐解くことにも貢献できる」と話します。

研究チームは、引き続き夜光雲の観測を続けていくということです。