木原稔 官房長官
「足元では一方向な急激な動きも見られ、憂慮しております」

先週金曜、政策金利を30年ぶりの水準に引き上げた日銀。一般的に利上げは円高の要因となるとされますが、22日の外国為替市場では一時、1ドル=157円台後半まで下落しました。

国債も売られ、長期金利は一時2.1%に上昇。およそ27年ぶりの高い水準となりました。

利上げをしたのに、なぜ円安は止まらないのでしょうか。

第一生命経済研究所 藤代宏一エコノミスト
「日銀の利上げ見通しに関して大きく変化が生じなかったことで、投機筋としては円売りを仕掛けやすくなった」

日銀から“次の利上げ”への積極的な発信がなく、円売りの歯止めにならなかったと藤代氏は指摘しました。

その“円安”が好感され、22日、日経平均株価は5万円の大台を回復、AIや半導体銘柄が買われました。

藤代氏は、円安などで物価が上がる=インフレが進む一方で、株価が高い今の状況を「株高不況」と表現します。

第一生命経済研究所 藤代宏一エコノミスト
「インフレは企業・株価にとっては追い風となる一方で、消費者には逆風となっている。株式を持たない家計に関してはインフレの打撃が集中しやすい。そういう構図はしばらく変わらないと思う」