勝利だけではないはず 子どものスポーツの「結果」

授業を終えた島沢さん。選手たちに考えてもらう、こうした授業のような機会が、もっと部活動の中に必要だという。

「迷っている選手の身になって、一緒に歩んでいく。それがスモールステップになって、その子の本当の力になると思います」

選手と一緒に歩んでいく指導が「その子の本当の力になる」

一発学習・恐怖学習に比べ、結果が出るまでに時間はかかるかもしれない。指導者の根気も必要だ。しかしそもそもスポーツで求められる “結果” とは、目の前の勝利ではなく、スポーツをする人々が心身ともに成長することではないだろうか。

小中高校といったカテゴリーごとの勝利や優勝が重視されてきた国内スポーツにおいては、個々人に沿った成長過程がないがしろにされ、上意下達で競技活動が進んできた側面がある。

自分で考え、他者と意見を交わし、目標に向かって試行錯誤を繰り返す。社会で生きていくためにも必要な「コーチアビリティ」を大切にし、個々人を尊重する風土が、スポーツ界に根付いていくことを祈る。(取材・執筆 RBCスポーツキャスター 下地麗子)

下記関連リンクから前後作を読むことができます

【スポハラ特集 5部作】
(第1話)「怒鳴る指導」で成果、強い副作用も
(第2話) 本記事
(第3話) 行き過ぎた指導が招いた子どもの死
(第4話)「殴ってくれたから今がある」美談の罠
(第5話) スポーツマンは聖人君子か