社会で生きるためにも必要なスキル「コーチアビリティ」とは
「指導・教育するということについて、私たちはずっと “近道” を一生懸命目指してきたんじゃないかと思うんです。『言った方が早い』『指示命令して勝たせる』みたいな感じでやってきた。でも欧米などは、子どもの人権を重んじて、その子の “コーチアビリティ” を引き出していく。やり方が丁寧なんですよ。そうすると必ず本物になるんです」

「コーチアビリティ」とは、選手にとって必要とされるメンタルスキルで、自身の考えを表現し指導者と“建設的な対話”ができる能力を指す。例えば、選手が指導者の説明でわからないところがあれば「ここは分かりません」と正直に聞く。指導者から受けた教えを生かし自分のものにするために、対話を重ね考えを深める。自発的な行動が生まれる能力と言える。
実は、この「コーチアビリティ」の理論を教えるスポーツ心理学の専門家が沖縄にいる。沖縄大学人文学部福祉文化学科健康スポーツ福祉専攻の准教授・石原端子さんだ。
石原さんは高校時代、陸上の投てき種目で全国準優勝を果たし、その後プロゴルファーに転身してツアー優勝も経験した異色の経歴の持ち主でもある。
将来スポーツ指導者をめざす学生が参加する「スポーツコーチング論」の授業で、石原さんは「コーチアビリティ」を解説している。コーチアビリティは、選手だけで身につく能力ではなく、指導者の導きが重要となる。














