物価高で老舗も閉店 倒産件数も過去最多を更新

鹿児島市内で50年間営業を続けてきた老舗の和食店「広活」。毎朝、市場直送の新鮮な魚を仕入れている。

長く地元で愛されてきたが、12月20日の営業をもって閉店する。入口の扉には、50年間の感謝を伝える張り紙が。
閉店の理由は「物価高」だ。

「広活」2代目店主 仮屋崎博之さん(49)
「卵とか(1箱約10キロ)2000円台だったのが、今もう4000円近くなっています。これがじわじわ来る。年の初めに2400円ぐらいだったのが、ひと月経って2500円になって。3000円になったと思ったらじわじわとのってくるから、だんだん『あれ、おかしいな』とのしかかってくる感じ」
人気メニューは、卵をたっぷり使ったかつ丼。2024年から100円値上げし、950円に。

――どれも値段が上から貼られていますね。これは値上げしたという?
「広活」2代目店主 仮屋崎博之さん
「コストの分を上げさせてもらって、卵を使うやつは全部(値上げした)」
これ以上の値上げはできないと、11月に閉店を決断したという。
帝国データバンクによると、2025年4月~9月までで、物価高による倒産は488件と集計開始の2018年度以降過去最多を更新した。業種別で見ると、飲食店を含む小売業が全体の2割以上を占める。
――閉店すると聞いてどう思った?
お客さん
「寂しくなるな。残念ですね。まだ続けてほしいんですけどね」
「すごい素敵なお店がなくなるのは、思い出が一つなくなったような感じがします」

――お客さんから「どうにか続けられなかったのかな」という声も
「広活」2代目店主 仮屋崎博之さん
「同じ金額売り上げても利益がどんどん削られていっている。それが自分の商売の売り上げとか関係ないところでどんどん削られていく。気持ち的にもだいぶきついですよね」














