日本銀行が0.25%の利上げを決め、政策金利は0.75%と、30年ぶりの水準になりました。植田総裁は、今後も「金融緩和の度合いを調整していく」と、来年も利上げを継続していく考えを示しました。もっとも、異常な円安を是正するには、今回の利上げだけでは力不足のようです。

複数委員が円安の影響を指摘

日銀の利上げは、今年1月に政策金利を0.5%に引き上げて以来のことです。日銀は、この間、トランプ政権による関税政策の経済への影響を慎重に見極めた上、高市新政権とのコミュニケーションにも時間をとって、追加利上げにようやくたどり着いた格好です。

記者会見した植田総裁は、「来年もしっかりとした賃上げの可能性が高い」「基調的な物価は緩やかな上昇が続いている」と、経済の先行きに自信を示しました。

日銀が新しい政権の発足後、比較的早く利上げに踏み切ったのは、円安が155円を超える水準まで進み、円安が物価高を加速させる懸念を深めていたためです。植田総裁は、会合で複数の委員が「最近の円安が輸入物価を通じた物価への影響を指摘した」と明らかにしました。