「1分1秒でも早く返してほしい」 日朝首脳会談から20年の節目も…
「本当に時間がない」…。
現状に焦りを隠せないのは、北朝鮮による拉致の疑いが指摘されている特定失踪者の家族も同じです。

大澤孝司さんの兄、昭一さんの願いはただひとつ、「生きて弟と抱き合うこと」ですが、高齢となった体に一日一日が重くのしかかっています。
【大澤昭一さん(86)】
「ぜひ日本人の生命と財産を守る国家になってください。日本人を救出する目標に向かってしっかりと対策を練り、一刻も早く命を張った交渉を進めてください」
4月に満開になったハナミズキ。
24年もの間、娘の三奈子さんを探し続ける中村クニさんが、娘がいなくなってまもなく庭に植えたものです。今年も花をつけたその力強さに娘の姿を重ね、無事を祈りました。
【中村クニさん(79)】
「20年余りというのは本当に長く感じました。あの小さなハナミズキの苗が、20年たってもう屋根に届くように大きく成長して、これだけ年月がたっているのに…」
今年は2002年の日朝首脳会談から20年。
拉致された娘や息子、きょうだいを救い出すために家族が集まった家族会の結成から25年。
そして、横田めぐみさんが拉致されてから45年と節目が重なる一年でした。
しかし、帰国を待つ家族や友人にとっては…
【真保恵美子さん(57)】
「節目って言いますけど、節目なんてあっちゃいけないんですよ。45年たつ5日前だろうが1週間前だろうが、1分1秒でも早く返してほしいわけで」

もう何十年もの間、命を削って訴える家族の声を政府はどれだけ真剣に“聞いた”でしょうか。
【岸田総理】
「拉致問題は、岸田内閣の最重要課題です」