暗闇の中で“一筋の光”を信じて 86歳母の祈り
目に見える進展がないまま、また新たな年を迎えようとしています。
【蓮池薫さん】
「時間さえたてば、一番強く拉致問題を訴える親の世代は少なくなっていくだろう、そうすればやりやすくなると思っていると思いますよ。(北朝鮮)当局は。これをひっくり返さなきゃいけない。この考え方をひっくり返すには、日本政府の覚悟です」
【横田早紀江さん(86)】
「毎日ね、朝起きたらね、ちゃんとご飯食べているのかなとかね、毎日思っているわけですよ、子どものことをね。皆さんのお子さんだったら、どうなさるんですか。政府の方も同じ親として、そういう日本じゃいけないんじゃないですかって一生懸命言うしかなくて」
「娘の声も聞こえない、どこにいるかも分からない」…。
表現のしようがないほどむなしいばかりの45年。しかし、その暗闇の中でも、早紀江さんは、いつか訪れる一筋の光を信じています。
【横田早紀江さん(86)】
「忍耐あるのみですね。それの連続だからね。忍耐の連続で。でも希望を持って、必ず何かが起きるんだって思っているから。それで生きていられるんですよね」
今この瞬間も、海の向こうで助けを待っている被害者がいます。娘は、母は、きょうだいは…今どうしているだろうかと。
無事を信じ、帰りを待つご家族の心のうちに、私たちも思いをめぐらせたいと思います。
そして政府は、問題から目を背けず、しっかりとこの声を聞いてほしいと願います。