佐賀関大規模火災現場のすぐそばで50年近く理髪店を営む男性がいます。長年付き合いのある常連客が被災した男性が今思うことは?
理髪店の店主、宮田直之さん(84)は生まれも育ちも佐賀関です。大規模火災が発生した現場のすぐそばで50年近く店を営んでいます。

宮田さんの店は火事の被害を免れましたが、被災した住民は宮田さんにとって常連客ばかり。長年つき合いのある友人・知人の力になればと通常は料金3000円のカットを無料で提供しています。
(宮田理髪店・宮田直之さん)「散髪代はもうもらわないと思うけど、お客さんの方がお金を置く。散髪代はきょうはもういいよって言ったら、『嫌』って。そしたら近くに缶ジュースを買いに行く。持ってきて『缶ジュースを飲め』って。こんな付き合いよ」
この日、店に来た男性も被災しました。この男性は宮田さんとの何気ない会話が心を軽くさせてくれると語ります。
(男性)「ここにずっと何十年って来ているんですよ。友達だからね、若い時からの」

(宮田直之さん)「この地区の人はみんな、もうきょうだいみたいなもの。『家は大丈夫だったか』って最初きく。『いやもう半分焼けた』って言う。あとはもう言葉がない」
深刻な被害に遭いながらも何とか前に進もうとする地元の人たちの姿に宮田さんの方が元気をもらっているそうです。

(宮田直之さん)「難しい顔をする人は1人もいない。帰って昼飯を食うっていうから、何食うんかってきいたら、『きょうはラーメンじゃ』って言ってな。そんな気さくな人ばっかり」
互いを思いやり助け合う地域のつながりを日々実感する宮田さん。かつてのまちの風景が戻ることを願っています。














