現地生産増や価格転嫁「なかなか難しい」

北米市場が売り上げの7割を超えるスバルには、トランプ関税が大きな負担となっている。

▼世界販売のうち「71%」がアメリカ市場(※24年小売台数)
▼車種はSUV(多目的スポーツ車)が「83%」(※24年3月期小売台数)

――これまでは「アメリカ・SUV」という“選択と集中”が功を奏したのだと思うが、今回のようにいきなり関税が来ると逆風に。今後は現地生産の拡大も考えているのか

『スバル』大崎篤社長:
「7割をアメリカの市場で販売しているが、このうちの半分は現地生産、もう半分は日本からの輸出。半々にしているのは、非常に変動要素として大きい為替のリスクを回避するためだが、新たに関税という変動要素が入ってきた。単純に考えるとアメリカでの現地生産を増やすことが常套手段になるのだろうが、我々OEM単独ではなかなか簡単には結論が出せない。やはり支えてくれるサプライヤーの皆さんと一緒になって、どうやっていくかをまさに今検討してる最中」

――利益の半分を失う、言い換えれば関税分を相当かぶって売ったということ。関税分を価格転嫁する動きを強めることになるのか

大崎社長:
「市場の中で他社と競争しているので、関税がかかったからと簡単に価格を変えるのは難しい。常日頃から商品のバリューにふさわしい価格を常に見ながら適正化を図ってきているが、これは今後もしっかりやっていきたい。それ以外で、例えば原価を下げるとか、販売台数を拡大していくとか、新車以外のバリューチェーン収益を大きくしていくとか様々な手で、関税分を打ち返していくことをしっかりやっていく」