画像が物語る「3I/ATLAS」の活発な姿
12月に公開された画像は、2025年11月2日に撮影されたものです。これはJuiceが彗星に約6600万kmまで最接近する2日前です。NavCamはJuiceの航行に使うためのカメラで、観測用の高解像度カメラではありませんが、そこには活動の兆候を見せる彗星の姿がはっきりと写っています。
画像からは、彗星の核の周りに輝くガスのハロー「コマ」が確認できます。彗星は太陽に近づくと、その熱で表面の氷などが蒸発し、ガスや塵を放出してコマを形成します。さらに注目すべきは、2種類の「尾」の兆候です。
以下の図は、一般的な彗星の構造を示したものです。今回Juiceが撮影した画像と見比べることで、それぞれの尾の特徴がよくわかります。
プラズマ尾(イオンテール) は、電荷を帯びたガスでできており、Juiceの画像では上に向かって伸びています。太陽風の影響を強く受けて、太陽とは反対の方向にまっすぐ伸びる性質があります(構造図の青い尾)。
ダスト尾(ダストテール)は、塵でできており、Juiceの画像ではかすかに左下に向かって伸びているのが見えます。こちらは彗星が通ってきた軌道に沿って、少しカーブを描くように伸びるのが特徴です(構造図の黄色い尾)。
彗星が太陽に最も近づいた直後だったため、活動が活発化しており、これほど鮮明に捉えられたと考えられています。














