ESA「待ちきれずにダウンロードした」画像

2025年11月、木星に向かって航行中のJuiceは5つの観測機器を用いて、太陽系を通過中の3I/ATLAS彗星の観測を行いました。

本来、これらの本格的なデータが地球に届くのは2026年2月の予定です。というのも、現在Juiceは太陽に近いため、機体を熱から守るためにメインの大型アンテナを「盾(熱シールド)」として太陽に向けており、地球との通信には小型のアンテナしか使えず、通信速度が極端に遅くなっているからです。

しかし、Juiceの運用チームはそれまで待つことができませんでした。そこで、ナビゲーションカメラ(NavCam)で撮影した画像のうち、通信容量の限界に挑み、1枚の画像の「4分の1」だけを先行してダウンロードすることを試みました。その結果、チームの予想をはるかに超える画像が現れました。

Juiceが捉えた3I/ATLAS 中央の輝く「コマ」から、上に向かって「プラズマ尾」、左下に向かって「ダスト尾」が見えている ESA/Juice/NavCam