ところが冬は短くならず…なぜ?

ところが立花教授らの研究では、冬の期間は温暖化してもほとんど短くなっていませんでした。

偏西風の蛇行の向きが夏と逆になり、シベリアから寒気をもたらしやすくなるからです。この要因は日本と大陸との位置関係にあります。

三重大学 立花義裕教授:
「日本列島の位置が、ちょうど東が海で西が陸、熱しやすく冷めやすい陸と、暖まりにくく冷めにくい海の境界にあると、だから夏は猛暑になって冬はけっこう寒波が来るというわけですね。だから日本は『二季』化しやすいんです」

これを裏付けるかのように、今年の仙台の平均気温は、6月から9月は平年より3度前後も高くなっていましたが、その前後は平年並みかやや高い程度となっています。

11月の平均気温は11月としては2020年以降で最も低くなり、街では「二季」を感じるとの声が聞かれました。

仙台市民「夏がめちゃくちゃ暑かったので、いきなり寒くなると体にこたえますね」「秋が無かったなっていう印象。暑かったのがいきなり寒くなってきて、ちょうど良い気温の日が少なかった」

レタスジャパンの酒井さんは年々、寒暖の差が大きくなり野菜が栽培しづらい環境になってきていると感じています。

レタスジャパン酒井佑弥さん:
「秋くらいの気温が野菜が育ちやすい適温なので、暑いから急に寒いってなると作りづらい。春と秋が一番野菜が作りやすいし野菜もおいしくなるんで、秋と春を返してほしいなと思います」

春夏秋冬の四季が、近年は夏と冬だけの「二季」になりつつあると言われる日本列島。宮城の農家にとっても今年はその傾向を実感させられる一年となりました。

2025年は立花教授が提唱する「二季」という言葉が新語・流行語大賞のトップテンにも選ばれました。立花教授は「これにより温暖化に伴う気候変動に気づいてもらって、四季を取り戻すために温室効果ガスを減らそうという動きにつながってもらえれば」と話していました。