AIについて「数年で100億円投資」 「組織文化に発展させる」

――デジタルの投資関連で、AIの投資や活用についてはどのようにお考えですか。

本当にグループを挙げて取り組みを始めているところで、ここ数年(2024年から2026年)で100億円くらい投資をしている状況です。

我が社の場合は業務インフラがかなり古かったこともあり、業務インフラの刷新と合わせて生成AIを標準装備化して、グループ3万人に生成AIを全て開放をしていく流れを作っています。

最終的には生成AI、それから我々のデータの整備、それから人材、これがやはり融合していくことが非常に重要なポイントだと思っていますので、まず生成AIをしっかりと我が社の中に組み込んで日常に溶け込むような形で組織文化に発展させていく。生成AIのある業務プロセスが標準系になっていくことを目指していく必要があるかなと思っています。

それと、目指しているところとしては生産性の向上とか、我々のアウトプットの質的・量的な拡充はもとよりですが、いかに意思決定のサポートに繋げることができるかということや、新しい我々の事業の拡大、それから収益の拡大にどう生成AIを取り込んでいけるか、実際の商品サービス機能の中にどうやってビルトインしていけるかということが最終的にはお客様の顧客体験を変えることに繋がると思っています。

何を置いても、まずはAIエージェントのようなものも含めて作り込める人材の質量っていうのを高めていくっていうことにも軸足を置いています。

――AIを使える人材の育成という点で、もう少し具体的な取り組みとして念頭に置いているものは何かありますか。

まず3万人の全役職員の中でコアとなる人材を育てていきたいと思っていて「Gen AI Academy」というのを立ち上げたいと思っています。

今の我々のIT部門の中には相当程度の人材はいるのですが、我々のIT部門ではない色々な事業部門に分散している人材から150人程度の人材を集めます。金融に深く精通していて、銀行業務に造詣が深い人たちが高いAIスキルを獲得することで、既存の枠組みや業務の断捨離だとか今のシステムとAIがコラボしていくような状況だとか、AIエージェントのようなものを繋げて、新しい世界観を出していくようなことのコアとなる人材をまずしっかりと作り込んで、そこから草の根的に全体に広げていくような動きを行いたいと思っています。