「金利ある世界」で求められる“デジタル”と“リアル”の融合
――今後金利ある世界の中で、住宅ローンや預金獲得の競争が激しくなると思いますが、戦略としてどんなことをお考えですか。
まず足元で金融政策の正常化が進んでいく中で、特にコア預金と言われている比較的粘着性の高い預金のところにやはりストレスがかかってくるだろうと思います。
貯蓄から資産運用の流れや、金利がこれからゆっくり上がっていく前提を考えると、資金が流動性の預金から定期性の預金にシフトしたり、インフレの中で運用資産の方に移行していったりするような流れもあると思います。こういう状況の中で安定的な預金をどうやって戦略的に獲得していくのかということについては色々な工夫が必要になってくると思います。

――預金の獲得という観点で、アプリの強化についてはどういう構想でしょうか。
日常の金融をデジタル化するという点においては一定程度成果はあったと思っていますが、もうリリースから7年が経って世の中もずいぶん変わってきましたし、競合の皆さんの動きもずいぶん変わってきています。もう一段グループアプリの次のバージョンというか、新しい世界観を持ったサービスをエコシステムのような形で提供していくような準備を進めているところです。
いずれにしてもリアルとデジタルが融合していくことが非常に重要なポイントだと思います。それから流動性、あるいは預金の調達力を強化する意味ではやはり個人のお客様については家計に深く寄り添っていくことが重要だと思います。デジタルサイドの強化はもとよりですが、最終的にはお客様接点の拡充という意味で、リアルサイドとデジタルサイドを高次元で融合させていく新しいフレームワークをぜひ出していきたいと思っています。














