日銀が今年の1月に追加利上げを決めてから、まもなく1年。日本の金融業界は本格的な「金利ある世界」の復活で新たな競争局面を迎えているとともに、AIなどデジタル技術の革新というもう一つの巨大な波にも直面しています。この二つの変革の波が押し寄せる中で、どのように「稼ぐ力」を発揮していくのか。大手銀行グループの一角、りそなホールディングスの南昌宏社長に聞きました。
(※取材は2025年11月26日に行いました)
「変化は新しいニーズを連れてくる」りそなが見る円安・債券安

――いま、足元では円安・債券安が続いていていますがどう受け止めていますか。
まず金利のところは、イールドカーブがかなり立ってきています。かつてマイナス金利下ではあまり投資妙味のなかった5年債とか(年限の)短いところにも実は金利が立ってきている状況なので、金融界のボリュームゾーンである中期ゾーンに投資妙味が出てきたことは我々にとって非常に大きなポイントかなと思っています。
株のところは色々な見方があると思いますが、かつてに比べると今(日経平均株価が)5万円前後ということで、非常にスピードが早いかなという感じがしていますが、中長期的な日本の再成長に向けて決して悪い状況ではないと思っています。
それから、為替も円安にかなりふれてはきていますが我々のビジネスそのものはかなり国内特化型ですので大きな為替リスクはありません。

それよりもお客様側に発現していくであろう様々な問題、関税の問題、経済安全保障の問題など、色々なものがワールドワイドで起きてくると思いますので、これが様々な波及経路を通じて特に中堅中小企業、個人のお客様にどんな影響をもたらしていくのかについてはやはりアンテナを上げて、しっかりと見ていく必要があると思っています。
変化は必ず新しい困り事といいますか、新しいニーズを連れてくると思っていますのでこういう変化に対して我々サイドがしっかりとお客様に寄り添う形で、ビジネスを展開していくことが、我々にとっての本業だと思ってます。














