「外出が怖い」客のニーズに合わせた新サービスも

一方で、クマの出没により外出を控えている客の声を受けて新たなサービスを始めた店も次々と登場している。通町商店街などに店をかまえるコーヒー販売店「南蛮屋おあい」では、11月7日からコーヒー豆を300グラム以上購入した客を対象に、宅配送料を無料にする取り組みを始めた。サービス開始後、山に近いところを中心に、毎日のように利用する客が増えているという。
青井智社長は「年配の方を中心に、『クマが怖くてお買い物に行けない』という声が多く寄せられた」と話す。実際に、来店客数は前年同月比で約1割ほど減っており、「もうけも大切だが、クマを怖れて外に出られないお客様に、おいしいコーヒーを届けたいと思った」とサービス開始の理由を説明した。さらに「早くクマが冬眠してくれたらいいんだけど」とも語った。
連日、メディアを賑わせているクマ被害。その多くは人的被害を伝えるものだが、実際には地域経済や住民生活にも深刻な影響が広がっている。飲食店や観光業では客足の減少が続き、屋外イベントの中止によって準備した食材が無駄になるといった、目に見えにくい損失も積み重なっている。
クマの冬眠が待たれる一方で、こうした影響が来年以降も繰り返されれば、地域経済の疲弊は避けられない。生息環境の変化や餌不足など、背景にある課題に向き合いながら、行政・住民・専門家が協力して持続的な対策を構築する必要があるのではないか。人的被害を抑える対処だけでなく、被害の拡大を未然に防ぐための長期的で抜本的な手だてが求められている。














