2025年の南極オゾンホール「依然として大規模」回復への道のりは?

そもそもオゾン層とは、私たちの暮らしにどう関わっているのでしょうか。

地球を覆うオゾン層は、太陽からの有害な紫外線を吸収し、地上の生態系や私たちの健康を守る重要な役割を担っています。さらに、成層圏の大気を暖めることで、地球全体の気候を形作る上でも欠かせない存在です。

この記事では、この大切なオゾン層に開いた「穴」=南極オゾンホールの最新状況について解説します。

1979年と2018年の比較。南極でオゾン全量の少ない地域が広がっている。気象庁HPより

南極昭和基地での観測結果

気象庁は、衛星からのデータに加え、南極にある日本の昭和基地でもオゾンホールの詳細な調査を行っています。気球を使った観測では、9月には基地上空で顕著なオゾン破壊が確認されました。

観測装置・オゾンゾンデ 気象庁HPより(第64次南極地域観測隊員撮影)

気象庁が11月26日に発表した報告によると、2025年の南極オゾンホールは、最大で南極大陸の約1.6倍にあたる2,280万平方キロメートルに達しました。この大きさは、最近10年間の平均とほぼ同水準で、オゾンホールが依然として大きな規模で存在していることを示しています。