「お母さんの方が長く生きていてごめんなさい」米村さんの妻から智紗都さんへの手紙
母より。
ちいちゃん、もう14年も会ってないよね。
今、もしどこかで生きていられたら、どんな旦那様とどんな子供たちと出会えていたのかな?
ちいちゃんだから子供のしつけをちゃんとして、良妻賢母。
厳しくて優しいお母さんになっていたよね。
仕事も大好きな子供たちに囲まれて保母さんになっていたよね。
そしてお姉ちゃん、家族とも仲良くお父さんとお母さん、妹も大事にしてくれたよね。
楽しい未来を描けていたよね。
なのに世界中どこを探しても、ちいちゃんと会えない。
あの男はちいちゃんだけを殺したのではない。
ちいちゃんの子供も、そのまた子供も、その次の子供も無限に殺した。
ちいちゃん1人の命、それが誰の命であっても同じです。
その命の重さは未来の子供たちの命を奪うこと、そのことを深く分かってほしい。
このことはちいちゃんが教えてくれたよね。
なんだかんだ言いながらお母さんはもうちいちゃんの3倍も生きてしまいました。
できることならちいちゃんの未来のため、お母さんの命と変わってあげられればよかったといつもいつも思います。
お母さんはもう十分生きてきました。
今、ちいちゃんより長く生きていること。
ちいちゃんを助けてあげられなかったこと。
償おうと思っても償うことができない、それはお母さんの後悔であり、お母さんの罪なのです。
本当にちいちゃん、ごめんなさい。
お母さんの方が長く生きていてごめんなさい。
ちいちゃんのことを守りきれなかった母をどうか一生許さないでください。
平成30年(2018年)1月26日














