台湾の与野党 “高市発言”どう受け止め?

台湾の人たちは、高市総理の発言をどう受け止めたのだろうか。

台湾の頼清徳(らい せいとく)総統。中国と距離を置く民進党のトップだ。

中国が日本産水産物の輸入停止措置をとる中、自身のSNSで…

頼清徳 総統のSNS(20日投稿)
「きょうの昼食は、お寿司と味噌汁です」

日本側を応援する姿勢だとみられる。

その総統を支える民進党の幹部、鍾佳濱(しょう かひん)氏が報道特集の取材に応じた。

鍾佳濱 民進党団幹事長
「(高市総理の)台日関係を強化する発言を非常に歓迎しています」

日下部正樹キャスター
「高市発言はこれまでの日本政府、あるいは日本の外務省の台湾有事に関する発言より、一歩踏み込んだものだと受け止めていますか」

鍾佳濱 民進党団幹事長
「中国の習近平が外に勢力を広げようとする姿勢に、日本の指導者も当然、警戒を強めなければなりません。高市総理の発言が歴代総理と異なるのは、日本の政策転換というより、中国の脅威に対応した結果と見るべきです。

習近平を含めた中国共産党の指導者たちは、自分たち強国に従って世界の秩序を決めるべきと考えてきました。それが周辺諸国の不満を招いていると思います。我々がそれに屈する必要はありません」

一方、中国との関係を重視するのが野党の国民党だ。党副主席の蕭旭岑(しょう きょくしん)氏が取材に応じた。

国民党 蕭旭岑 副主席
「日本の総理が、こんな驚くような話をするはずはないと思っていました。あの日の(高市総理の)発言には非常に驚きました」

日下部キャスター
「こうした発言を高市総理がしないと思った理由は何ですか」

国民党 蕭旭岑 副主席
「今年は終戦80年。台湾と中国にとって非常に重要な年です。中国と日本の緊張が特に高まっていて、三者(中国・日本・台湾)の関係もより敏感になっている時だからです」

蕭旭岑副主席は、実際に台湾有事が起きた場合には不安があると話す。

国民党 蕭旭岑 副主席
「アメリカと日本は現在、台湾と正式な同盟関係にないため、現実に衝突が起きた時に、どれほど助けてくれるのか疑問です。台湾と日本が国交のない状況で、台湾の安全が本当に保障されるのか。それを心配しています」