「諦めなかった人たちが実現してくれた」 ドラマ化への長い道のり
単行本の発売当初から、映像化の話は持ち上がっていたという同作。そこからドラマ化に至るまでのストーリーの“始まり”を、早見さんはこう打ち明ける。
「僕が小説を書き始めるずっと前、雑誌のライターみたいなこともしていた頃から、25年来の付き合いがある安田淳さん(現・TBSアクト代表取締役社長)と、当時安田さんの部下だった(本作の)加藤章一プロデューサーの2人が、単行本を出してすぐに電話をくれて、『企画書を書いていい?』とオファーをくれたんです」
コロナ禍などの影響で企画は一度白紙となるも、そこから制作スタッフ陣が粘り強く動いたことで、映像化が実現した。
「諦めなかった人たちが本当にいっぱいいてくれて。チームが1個1個広がっていった感じで、ドラマ化の話も、ロイヤルファミリーっぽいなと思います」。そこには、作品のテーマにも通じる“熱い思い”が制作現場を動かした、というドラマがあった。
これまで映像化されてきた自身の作品と同様、本作でも企画段階から原作者として関わる姿勢を貫いた。「何を求められているのかを一生懸命想像することを、大切にしています」と語る。
『ザ・ロイヤルファミリー』の脚本に関しては、これまでにないほど意見を伝えたそうだ。「作品のためだと思っていたし、脚本を担当してくれた喜安浩平さんも、こちらの意見を反映してさらに良くして返してくれた。全く悔いはなく、良い関係を築けています」。
早見さんの思いは、脚本の喜安さんにとどまらず、塚原あゆ子監督、加藤プロデューサー、妻夫木聡さんら、作品に携わるスタッフ・キャストにまで広がっている。














