想像を巡らすG1レース 「とんでもない数の人間の思いと、年月」
今回、原作者ならぬ「原作班」と称して、ドラマに携わっている早見さん。ドラマの舞台となっている撮影現場にも足を運んでいる。放送もリアルタイムで見ている中で、本作が現代社会の“ある空気感”に対して自身が抱く「持論」にも通じていると話す。
「今は明らかに“想像力”が足りていない時代だと思うんです。うわべだけで皆が一斉にジャッジして、勝手に決めつけて、一方的に叩く」ーーそんな息苦しく感じる時代をサバイブするための、早見さんなりの「持論」が、「想像すること」だ。
「何も知らなかったら、そこに馬が1頭いるだけですから。ただ馬たちが走っているだけ。でも、このドラマを見てくれている方たちには、“その1頭の馬がどれだけ多くの人間の思いを背負ってこの芝の上に立っているのか”というのが分かると思うんです」
1つの側面から切り取られた情報だけではなく、そこから「想像」を巡らせる。「本当に1つ想像するだけで、呼吸がしやすくと思うんです。先入観や決めつけに挑戦していく。『ザ・ロイヤルファミリー』は、まさにそういうドラマだと思っています」。
馬へ、人へと、思いを巡らせることができるこのドラマに、自身も共鳴している。
「ニュース番組で見るGIレースの映像の裏にも、馬たちを1枚1枚めくっていったところに、とんでもない数の人間の思いと、とんでもない年月をかけてたどり着いた、最高峰の馬たちや人間の思いが集まっています」と、競馬愛ものぞかせる。














