「おこめ券」のメリット・デメリットは?

井上キャスター:
「おこめ券」のメリットとして、鈴木農水大臣が「できる限りスピーディーに」と発言しているように、▼高いコメが安く手に入ること、▼コメの消費喚起につながることが挙げられます。

一方、デメリットとして、▼事務経費が必要になること、▼一時的なもので、価格を下げることには繋がらないことが挙げられます。

つまり、「おこめ券」をいくら配ってもコメ価格の変動には影響しないので、対症療法でしかないという指摘もあります。

TBS報道局経済部 田中 記者:
おこめ券を使用することによって、コメの消費拡大につながるメリットがあるので、農家や関連業者はこの政策に賛成・支持をしています。

一方で、「おこめ券」でコメを購入したとしても、コメそのものの価格が下がることには繋がらないので、一時的にコメが安くなったという錯覚に陥るだけで、根本的な対策になっているのかという点が指摘されています。

井上キャスター:
個人的には「おこめ券」の政策には明確に反対しています。

減反政策を継続し、生産調整を行い、結果としてコメの供給不足に陥らせて価格を上昇させる。そして困ったら、その場しのぎで「おこめ券」を配布する。それは本末転倒ではないでしょうか。

やはり増産して、ある程度は輸出して、困っている農家を支援する。そして農業を稼げるものにする。政策自体を変えていかないと、その場しのぎで根本的な治療にはならないまま、税金が無駄な経費に吸い取られていくのではないか。このままでいいのだろうかという気がしています。

実業家・インフルエンサー 岸谷蘭丸さん:
コメ問題の根本的な解決になっていないというのは、ここ数年ずっと見てきたような気がしています。

一方で、あれだけ選挙で敗北してしまったことで、国民が現金給付を拒んでいるというロジックを政府が立てることになるだろうなと思います。

選挙の結果を受けて、コメ問題が政権の支持率の下落に直結する以上、致し方なく行っているのかなという気はしています。

出水麻衣キャスター:
年末年始に向けて、何かとお金が必要になる家庭も多いと思います。その中で、「今、家計が苦しい」という人にとっては、経費がかかろうが、現金給付を実施してもらえたら嬉しいと思います。

ではその先で、国民の家計をどうやって支えていくのかまでをパッケージで描いてほしいとも思います。

井上キャスター:
高市政権のコメ政策自体がなかなか見えてこないというのも、不安の根底にあるのかもしれません。