『検閲があっても兵士や家族らの本音が垣間見える』

専修大学の元教授・新井勝紘さん(81)の専門は「軍事郵便」。退職後も研究を続けていて、自宅にはわずかな通路だけを確保して書籍や段ボールが山のように積み上げられています。
(軍事郵便を研究 新井勝紘さん)「個人で1万通持っている人はそういないと思うけど…」
軍事郵便は日清戦争のころに国が規定し、戦地や駐屯地から無料で手紙を送ることができました。兵士にとっては離れた家族や知人らとの数少ないコミュニケーションの手段で、年間約4億通のやりとりがあったといいます。ただし大半が当たり障りのない軍務の近況報告や相手の健康を気遣うものでした。
(新井勝紘さん)「検閲があるということで兵士の本音は書けないだろうと。戦争史料としては役に立たないだろうというのが基本的な見方で、あまり軍事郵便に注目した人はいなかったんですよ」
新井さんによりますと、検閲があっても兵士や家族らの本音が垣間見えるといいます。たとえば封書の中に入っていたというこの折り紙は。
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(新井勝紘さん)「カエル。カエルというのは無事に帰ってきてほしいという意味。だから封書の中に入ってくるんじゃないですか」














