誤情報でかすんだ政策論争 本来あるべき選挙の姿とは

今回の知事選。仙台市内だけで見れば、得票数は和田氏が村井氏を3万票以上、上回った。また出口調査によると、40代以下の投票先は和田氏が最多だった。
投票に行ったという若者に「悪行14選」の画像を見てもらうと…

和田氏に投票 宮城県民(24)
「『この人ヤバいのかな』と思うけど、これを出す人にも思惑があると思う。そこはいろいろ調べるかな」
和田氏に投票 高校生(18)
「Xで選挙の近くの日になって調べたときに見た」
――(投票の)参考にする?
「しない、さすがにあからさますぎる」
「鵜呑みにすることはない」とする意見の一方、村井氏に投票したという18歳の高校生は。

村井氏に投票 高校生(18)
「急にバッと出てきたら (村井氏に)不信感を持っちゃうかも。これを最初に見せられたら、もしかしたら投票しなかったかも」
宮城県内で選挙情報などを発信しているNPO法人「メディアージ」の漆田義孝氏。デマが飛び交う選挙戦に危機感を抱き、「悪行14選」について、公開情報などを基にファクトチェックした。
「メガソーラー大歓迎」は【デマ】と判定したが、【解釈の余地あり】などとしたものもあった。

NPO法人メディアージ 漆田義孝 常務理事
「(『悪行14選』には)『選挙のために土葬撤回』と書いていて、村井さんを応援する方々は 『これもデマだ』と言うが、選挙の直前に土葬を撤回したことは事実。解釈の余地があるんじゃないか。
『ムスリム定住者大歓迎』については、外国から移住する方々の環境を整えなきゃいけないっていうことは、村井さんは主張しているのでデマではないが、特定の宗派・宗教に限定した発言として言ってきたわけではないので、言葉の使い方は間違っているんじゃないか。一つ一つ点検していった」
また「水道事業の運営は外資にお任せ!」については【誇張表現】【解釈の余地あり】と判定している。
初めて取り組んだファクトチェックだったが、記事を公開したところ、通常とは桁違いのアクセスがあった。

NPO法人メディアージ 漆田義孝 常務理事
「一つ一つ丁寧に検証して、公平性は評価していただいたことが多かった。一方で『デマと決めつけるな』とか、『現職を支援してるんじゃないか』と、批判の声もたくさんいただいた。どの候補者が当選しても、きちんと政策によって選ばれた選挙だったと納得感を得られるように、ファクトチェックしなければならないという意志で行動を起こした」
誤った情報が拡散され、本来の政策論争がかすんでしまったことに。
NPO法人メディアージ 漆田義孝 常務理事
「宮城県としては5期20年、長く務めた村井県知事。このままでいいのか、もっと新しい選択肢はないのかが問われる県知事選挙だったはず」
――誤情報に振り回されて、宮城県民が見つめなければいけない様々なイシューが吹っ飛んでしまった。

NPO法人メディアージ 漆田義孝 常務理事
「同じ状況は、他の地域の選挙であっても繰り返されてほしくない。本来あるべき姿の選挙になってほしい一心」














