■「結衣花が妹でよかった」 葛藤の末、たどり着いた答え

(母・理江さん)
「実は、結衣花って名前を付けたのは、お姉ちゃんなんです。結衣花がいい、ぜったい結衣花がいいって。まだ結衣花がNICU(新生児集中治療室)に入ってる時に『結衣ちゃん早く元気になってね、帰ってきてね』っていうお姉ちゃんの動画を結衣ちゃんに聞かせたんです。それまで全然反応が無かったのに、お姉ちゃんの声にはぴくって動いて。きょうだいの繋がりを、生まれてすぐの時から感じてました」

(穂乃果さん)
「結衣花がいなかったら、ラ・ファミリエにも出会ってなかったし、言語聴覚士の存在も知らなかったから、結衣花が妹でよかったなって思いますね」

きょうだい児の中には、病気で大変な思いをしているきょうだいや両親の姿を見て、自分だけ楽しんでいいのか、幸せになっていいのか悩み、葛藤し、諦めてしまう子どもも少なくないといいます。

もちろん、家族だからできること、支え合える場面はたくさんありますが、家族だけで全てを抱えるのは、とても難しいことです。

“結衣花が妹でよかった”という言葉は、様々な葛藤の末にたどり着いた穂乃果さんなりの答えです。でも、きょうだい児の誰もが、今そう思えなくてもいいと思います。穂乃果さんにだって、苦しい時期はあったんです。

たまには、感情が溢れてしまってもいい。誰かが、その思いを受け止めてくれる。子どもたち一人一人が、安心して自分の未来を見つめられる社会であってほしいと願っています。