維新の連立入りについては?

石破茂前総理 :維新の方向性って、自民党と似てるじゃないですか。維新がスタートしたときは、大阪の自民党の方々が母体になったわけでしょ。それから新しい方もずいぶん入ってこられたけれども、結局、基本が自民党的であるということなので、自民党の政策を、更にエンカレッジするっていうか、強化していくって役割を持ってる。それはそれでいいことだけども、党の性格が違うところが一緒にやるっていう妙味ていうか、持ち味っていうのかな。そのことの意義っていうのも私は忘れちゃいけなかったなと思っています。

――米政策。石破さんはどう思っているんでしょう。

石破茂前総理 :世界中に主要穀物ってあるじゃないですか。米と麦とトウモロコシ。世界中農地を増やして、農業生産も上げてるわけです。全世界がマーケットだからね。そうなっていくときに日本だけが、どんどん耕地面積は減る、農業者も減る。その根幹に米政策があったわけで、それは転換しなきゃいかんのでしょう。その需要を増やすっていうのは、海外向けを増やしていかなければなりません。そして主食が高ければいいって話にならないです。やっぱり主食は安い方がいいに決まってます。土地改良ってのは国民の税金を使って大規模化もやってるわけで、何のためにやってるかっていうと、消費者にリーズナブルな値段でお米を提供するためにやってるんでね。その利益は消費者が得なければなりません。

海外に輸出するために努力した、コストを下げるために努力した、そういう努力をした人には、何らかの補償的なもの、所得補償とは言わないけれど、どんどん米の値段が下がっていき、米つくるのやってられませんよっていうことを止めるための政策は、また別途打たなきゃいけないんです。耕作放棄地の面積がどんどん広がっていくのは、決していいことだと私は思っていないんです。需要をどれだけ広げていくか。どれだけコストを下げていくか、そういうことに向けてやっていかなきゃいけないんで、そのときだけの利益プラスマイナスだけ見て判断してはいかんのです。