免許返納への「2つのハードル」

 一方で、簡単に「返納すればいい」と割り切れる話でもありません。免許返納のハードルとして、生活面と気持ちの面があります。

 内閣府の調査によると、免許返納で生活が「不便になった」と回答したのは、

 ▽都市部 25%
 ▽地方都市 37.4%
 ▽山間地域など 60.5%

となっています。特に山間地域では、都市部に比べて電車やバスなどの移動手段が少なく、車を手放せないという人も多くいます。

 気持ちの側面では、年代別に見た「運転に自信がある割合」が一番高いのは、75歳~79歳で61.3%(MS & AD インターリスク総研株式会社の調査より)。

 「今までずっと無事故だったから」「慣れている道だから」という気持ちが、返納のハードルになっているのかもしれません。