受刑者が最も楽しみにしているのが労働の後の風呂だ。一般の刑務所では冬2回、夏3回だが友愛寮では毎日入浴できる。

受刑者
「ここだと毎日入れるし、しかも温かいお湯なので。普通の刑務所だと色んな人が入ってぬるいんですけど(友愛寮のお風呂は)熱すぎるぐらいです。冬でも助かっています」
食事は受刑者が2人で作る。この日の夕食は鶏肉の大根煮とコロッケ。主食は米7、麦3の割合で大盛りだ。これでも足りない、と漏らす者も少なくない。
重労働に配慮し食事と作業報奨金は一般の刑務所のほぼ2倍だ。
受刑者は2人部屋で生活している。一般の刑務所との違いをどう感じているのだろうか。
20代の受刑者
「松山刑務所にいたときは本当に一般社会の景色すら見ることができなかった。はじめてここに来た時は、手錠もされない状況に感動とワクワクがあった」
別の20代の受刑者
「布団の弾力が本当に全然違います。吸い込まれるんですよ、寝た時に。本当に吸い込まれるんで」
記者
「今ふらふらっと逃げたりしないですか?」
40代の受刑者
「一生逃げ続けるのは無理だと思いますし、刑も増えたりするので」
平均刑期はおよそ4年半、平均年齢は29.5才。“塀のない刑務所”で働く為の基準は厳しい。まず性犯罪や放火、覚醒剤常習者、暴力団関係者などは完全に除外される。
さらに“脱獄”を警戒してか造船所周辺に土地勘が無い受刑者に限られる。