マラソンで太田に勝った竹井が、3区の新人対決に割って入るか

パリ五輪と東京世界陸上の代表たちが、小山を除いて今大会には出場していない。マラソン日本歴代2位の池田耀平(27、Kao)も欠場した。その分ルーキーたちへの注目度が大きくなるが、実業団で経験を積んでいる選手たちも、簡単に引き下がらないだろう。

ロジスティードの四釜峻佑(24)は前回3区で区間2位、SUBARUの山本唯翔(24)は「今年一番の成長株。年間を通して高いレベルで練習している。ブレイクしてもらいたい」(奥谷監督)と期待されている選手だ。

JR東日本の竹井祐貴(25)もそんな選手の1人。亜細亜大から入社4年目の選手で、学生時代は関東学生連合チームで箱根駅伝に出場したが、目立った戦績は残していない。卒業直前の大阪マラソンを2時間10分57秒で走ったが、19位でそこまで注目されなかった。

その竹井が今年2月の大阪マラソンで2時間08分06秒(16位)まで記録を伸ばすと、7月のゴールドコースト・マラソンでは2時間07分33秒の大会新記録で優勝。9月のベルリン・マラソンに向けて練習の一環だったとはいえ、太田とのマッチレースから37kmでスパートして58秒差をつけた。今回は駅伝のエース区間で、太田をはじめとする大物ルーキーたちと対決する。

JR東日本の永井順明監督は、「一緒に走り始めたら、名前があろうがどうだろうが関係ありません。ゴールドコーストでも竹井はスパートして勝っています。一緒に走っていて、今日は勝てそうだと感じたのだと思います」と、チームのエースを信頼する。タスキを受けたら大物ルーキーも、代表選手も関係なく、その時に強い選手が快走する。