マラソンに向けて予定通りの今シーズンの流れ

平林の今季のレース出場は、7月のホクレンDistance Challenge網走大会10000mの1本だけ。27分40秒台を目標に出場したが、28分25秒85でA組5位に終わった。2月の終わりに左脚の腸脛靱帯を痛め、「立ち上げ(回復後のトレーニング初期段階)をしていくのに時間がかかった」ことが背景にあった。直接的には「学生時代から5年連続で出場していて、気温が一番高かった。雨が降って湿度も100%でした」と、気象条件が良くなかった。

ロジスティードに入社した平林選手

その後レースには出ていないが、当初からのプラン通りで心配するほどのことではない。「トラックに出てスパイクを履いて、またロードのシューズに戻す作業が得意ではない」という理由もある。夏合宿は國學院大の学生と一緒に行い「今年も8月は1000kmをしっかり超えて、距離を踏むところは達成しました」と良い感触を持っている。

大学4年時も授業のコマ数は少なかったので、練習時間は昨年と変わっていない。だが寮生活だった昨年までと違い、「夜のセルフケアに充てる時間や、自分の時間はとれるようになった」という。ニューイヤー駅伝の先に予定している4度目のマラソンでは、「27年MGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ。ロサンゼルスオリンピック™選考レース)の出場権を取る」ことを最低限の目標としている。その準備はしっかりと進めている。

「今年の前半シーズンが上手くいかなかった部分もあるので、東日本実業団駅伝を後半シーズン、マラソンに向けてやっていくための第一歩としたいと思います」。駅伝からマラソンにつなげていく流れを、「パターンとして持っている」のが、他の新人選手たちと平林の違いである。