旧統一教会にとって「都合の良い存在」だった?

これは“乗っ取り”ではないのか…。そもそもなぜ、旧統一教会は、帯広の宗教団体と接近することができたのか。新谷氏は、母親で初代教主の川瀬カヨ氏が自身の信者から勧められるかたちで、旧統一教会の思想に触れたことがきっかけだったと証言していました。
天地正教の実態を研究してきた宗教学者は、川瀬氏が旧統一教会によって「うまく利用された」と考えています。
(北海道大学・宗教学者 櫻井義秀特任教授)「(旧統一教会から)多くの人がいつの間にか、自分の周りに来るようになって、教団を整えてくれて、何百人・何千人に取り巻かれるようになった。いわば“おみこしに乗せられてしまった”と。しかし、乗ってみたところ“これで大丈夫か?”と自分でも不安に思っていたと。川瀬カヨ氏がそういうことを天運教(のちの天地正教)の信者に語っていたと聞いている」
そして、当時日本で若者を中心に信者を増やしていた旧統一教会にとって、仏教系の天地正教が「都合の良い存在だった」と指摘します。
(北海道大学・宗教学者 櫻井義秀特任教授)「日本で資金を調達するためにはどうしたらいいかということで、中高年の人に入ってもらった方がいいだろうと。日本には“先祖祭祀”(せんぞさいし)というのがあって、先祖のために供養する、喜捨をする、献金する、お布施を出すとか、そういう文化がある。キリスト教系であるよりも、仏教系の宗教をつくったほうがいいということで、仏教系新宗教として天地正教をつくった。つくりたかったわけです」














